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マイナス金利政策解による住宅ローンへの影響は?

マネー
2024.04.16

日銀のマイナス金利政策解除を受け、支払中の住宅ローンへどの様な影響があるか気になる方は多いのではないでしょうか?
住宅ローンは大きく分けて、返済期間中の金利が一定期間や完済まで変わらない固定型半年単位などに金利を見直す変動型があります。
金利が上昇した場合に返済負担が増える変動型で住宅ローンを組んでいる場合は、特に注意が必要です。

2016年2月にマイナス金利政策が導入されて以降、変動型の金利は一貫して低下してきました。2024年3月は大手銀行で年0.3~0.4%台、インターネット銀行では年0.1%台まで下がる商品もあります。
金利の低下と共に変動型を選択する人が増加し、国土交通省の直近の調査によると、貸出残高のうち7割近くを変動型が占めています。

変動型の金利は、各銀行が決める短期プライムレート(短プラ)に一定幅を上乗せした「基準金利」から、借りる人の収入や購入物件などに応じて「優遇幅」を差し引いて決まるケースが多いです。

短プラは日銀の政策金利の影響を受けやすいです。日銀は当面緩和的な環境が続くとしており、政策金利が急激に上がらなければ変動型への影響は限られます。また毎月の返済額の見直しは原則5年単位、返済額を引き上げる場合は25%増までとする「5年・125%ルール」がある銀行も多いです。その為、仮に変動金利が上昇しても、返済額はすぐに増えるとは考えにくいです。

但し、このまま物価上昇率が2%の状態が継続し、日銀が金融緩和を徐々に縮小すれば変動金利も上昇に向かいます。物価上昇率が2%なら変動金利も2%程度の上昇の可能性があります。
ここ数年内に借りた人の適用金利は2%~2.5%になると想定されます。毎月の返済が厳しくなる場合は、金利タイプを変動型から固定型へ変更する事が一案になります。

では借り換えで月の返済額はどう変わるのでしょうか?
4000万円を期間35年、年0.5%の変動金利で借り(元利均等返済)、3年後に年1.8%の全期間固定型にする例とします。借り換え後の返済額は約13万円と借り換え前の10.4万円に比較し3万円程度増えます

ただし、変動金利が当初の借り入れから5年後に2%上昇し、返済10年後まで同水準が続いた場合、月返済額は逆転します。「5年・125%ルール」のある金融機関では11年目以降の返済額が月13.9万円で、借り換え後の返済額は13万円を0.9万円上回ります

重要な点は、変動金利の上昇が仮に続いても、全期間固定型に借り換えた後の月返済額は完済まで変わらない事です。変動型のままなら金利上昇と共に負担が増えます。もちろん景気や物価動向などを背景に変動金利が低下し返済額が減る可能性もあります。

またローン残高が多く、残りの返済期間が長いほど借り換え効果は大きくなります。逆に返済期間が10年以下の場合は、借り換え費用の負担が相対的に重くなります。長期の資金計画を立て、慎重に検討する事が重要です。