親が高齢になってくると、介護費用に不安を感じる方は多いのではないでしょうか?介護はいつ始まり、いつ終わるのか分かりません。
2021年度の生命保険文化センターの調査では、1ヶ月の介護費用は平均8.3万円ですが、10万円を超える方も3割以上います。介護の期間は4年以上10年未満が約3割と多く、10年以上も2割近い状況です。
費用負担を抑える仕組みの一つが、公的介護保険の「高額介護サービス費」です。
1ヶ月に利用した介護サービスの自己負担額が上限を超えると、超えた分が払い戻されます。上限額は世帯の課税状況で異なります。
区分 負担上限額/月・世帯
年収約1160万円以上 14万100円
年収約770万~約1160万円未満 9万3000円
住民税課税~年収約770万円未満 4万4400円
世帯全員が住民税非課税 2万4600円
(うち前年の年金等収入が80万円以下 1万5000円(個人)
原則として世帯で最も課税所得が高い人の区分が適用されます。
対象は介護度に応じた支給限度額の範囲で使用したサービスの自己負担分です。限度額を超えた利用や施設利用時の室料、食費などは対象外です。該当者には役所からお知らせと申請書が届きます。申請書に振込口座などを記入して返送すれば、2回目からは超えた分が自動で振り込まれます。
世帯が住民税課税か非課税かで上限の差が大きいです。課税世帯の上限が月4万4400円。要介護者が1人で1割負担だと、最も重い要介護5でも自己負担額は月3万6000円程度なので、「高額介護サービス費」は利用できません。非課税世帯であれば、月2万4600円の為、利用可能です。
世帯分離の届出をすると非課税となるケースがあります。高齢の親と現役世代の子が課税者で、親は非課税であっても課税世帯の一員になります。親子の世帯を分けると、親は非課税世帯になり介護費の負担が減る場合があります。
但し、世帯分離はデメリットもあります。子の勤め先からの扶養手当が無くなったり、親が75歳未満なら国民健康保険の負担が増える場合があります。
公的保険制度は多岐に渡り複雑な為、正確な情報収集が重要です。
必要に応じ、民間の生命保険会社が提供する介護保険へ加入すれば、所定の介護状態になった場合に、介護一時金や介護年金などを受け取ることができます。
まずは公的保険制度について、しっかり丁寧にご説明させて頂きます。お問い合わせはインシュアランス・コミュニティの各店舗・営業所へ。