昨年末に公表された2020年度税制改正大綱の中でも、特に私たちの老後の資産形成を後押しする確定拠出年金(DC)と少額投資非課税制度(NISA)の改正のポイントを纏めました。
■確定拠出年金(DC)は企業型と個人型iDeCo(イデコ)があり、加入者が選んだ商品の運用成績によって将来もらえる年金額が変わります。掛け金は全額、所得から差し引くことができ、その分、所得税や住民税を減らせます。配当、分配金、売却益といった運用益も非課税になります。
加入期間は企業型、イデコとも現在は60歳ですが、原則、企業型を70歳、イデコは65歳まで延長します。また、現行制度では勤務先に企業型DCがある場合、会社の規約がないとイデコに加入できませんが、規約がなくてもイデコに加入できるようになるため、企業型との併用で資産形成プランが広がります。
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一方の少額投資非課税制度(NISA)では、投資期限の延長が柱で、24年以降は新制度も創設し、働く世代の積み立て投資を促します。ただ、仕組みがさらに複雑になり、初心者への浸透など課題も指摘されています。
■つみたてNISA
20~40歳代の利用を想定した「つみたてNISA」は、年40万円の投資を上限に18~37年の最長20年間、投資信託の配当や売却益が非課税となる制度。積み立て開始が遅くなるほど非課税の恩恵が減る不公平感が指摘されており、期限を42年まで5年延長して当面20年の投資期間を確保する。
■NISA
年120万円を限度額に、最長5年間株式などの配当や売却益が非課税になる「一般NISA」は23年が期限だった。24年以降は原則として低リスクの積み立てを行った投資家に株購入も認める「2階建て」の制度に切り替える。期間は5年延長し、上限額は低リスク商品が年20万円で計100万円、株式投資などが年102万円で計510万円、総計610万円とする。
■未成年者向け「ジュニアNISA」は23年で終了。
今回の改正は老後に備えた資産形成を後押しする見直しという内容であり、制度を有効に活用した個々人の備えが大切になってきます。