住民税の「税額決定通知書」が届く時期となりました。
住民税は地方自治体(都道府県と市区町村)が住民の前年度の「所得」に対して課す税金です。定額で課税される「均等割」と所得に応じて課税される「所得割」に分けられ、「所得割」の税率は一律10%です。
6月はその年度の最初の支払月となり、会社員の場合は通知書に記載された住民税額が来年5月まで給料から天引きされます。
2021年度からは制度の改正があり、高所得者の負担が増える見込みです。
具体的には、前年度の「所得」に一定の税率をかけて算出する際、所得金額を減らす各種控除に変更がありました。
<会社員の場合>
①基礎控除は、所得2400万円以下で一律10万円増
合計所得金額 改正前 改正後
2400万円以下 33万円 43万円
2400万円超~2450万円以下 33万円 29万円
2450万円超~2500万円以下 33万円 15万円
2500万円超 33万円 0円
②給与所得控除は、給与850万円以下で一律10万円減
給与収入 改正前 改正後
162万5000円以下 65万円 55万円
162万5000円超~180万円以下 給与収入×40% 給与収入×40%-10万円
180万円超~360万円以下 給与収入×30%+18万円 給与収入×30%+8万円
360万円超~660万円以下 給与収入×20%+54万円 給与収入×20%+44万円
660万円超~850万円以下 給与収入×10%+120万円 給与収入×10%+110万円
850万円超~1000万円以下 給与収入×10%+120万円 195万円
1000万円超 220万円 195万円
給与850万円以下で、前年度と同じ水準の所得ならば、①②で相殺され税額に影響はありません。高所得者は異なります。
合計の所得が2400万円を超えると、基礎控除が減ります。また給与所得控除も2020年度では1000万円越えで一律220万円となっていましたが、2021度からは850万円超で上限195万円となり、上限の対象者も広がり、控除も縮小されます。
<個人事業主の場合>
必要経費は従来通りで、基礎控除が10万円増えるので住民税は下がる傾向です。
<年金生活者の場合>
公的年金等控除額が10万円減る一方で、基礎控除は10万円増えるので、実質的な影響は少ないです。