分譲マンションの火災保険は2種類あり、専有部分は各所有者が、共用部分は管理組合が保険に加入します。そのマンションの共用部分に損害保険(火災保険)をかける場合、次の3つの保険の種類があります。
①火災保険、その他特約
主契約となるのが建物(マンション共用部分、付属施設、付属設備など)に対して、火災保険に特約をセットする。
➁賠償責任保険
賠償責任保険には、施設賠償責任保険(建物管理賠償責任保険)と個人賠償責任保険の2種類があり、それぞれに保険金額をセットする。
③地震保険
建物に地震保険をセットする。
その共用部保険の保険料の上昇が目立っています。
共用部保険の期間は最長5年、更新時期にはベース保険料の上昇がまとめて反映され、更に、築年数が古くなった分を加算されるマンションもあります。結果、前回契約に比べて保険料が数倍に膨らむ等といったケースも想定されるのです。
理由としては、共用部用保険は主契約が火災補償で、水ぬれなどは特約で補償します。ただ、マンションの全焼リスクは低く、保険事故の中で最も多いのが水ぬれ関連です。特に、1980年代以降に大量供給されたマンションが築30年を超え、老朽化した給排水管に起因する事故が多発しています。
保険料が大幅な値上げになれば、管理費の上昇につながり、管理費を負担する個人所有者の家計にも影響を及ぼす可能性があります。
有効な対策としては、早めに老朽化対策を施し、事故そのものを減らすこと。損保大手は各マンションの事故率で保険料を変える制度を一斉に導入、これは、一定期間の事故数をマンション戸数で割って事故率を算出し、低水準なら保険料を大幅に下げるというもの。
また、「賠償特約に免責をつける」ことで保険料を引き下げることも有効です。例えば、賠償特約に5万円の免責をつけるだけで保険料の総額が数十万円下がるケースもあります。免責額以下の事故は保険金請求できないので、自己負担となるが、その分だけ事故数が減り、次回更新時の事故率算定にも有利に働く可能性があります。
単純に特約を外すことで保険料を抑えるといったことは注意が必要です。各特約の要否も含めて、対策は早めに講じましょう。
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